私たちの心の内側には、はっきりとした言葉や論理では説明できないけれど、確かにそこ... #エッセイ

私たちの心の内側には、はっきりとした言葉や論理では説明できないけれど、確かにそこに存在している「もやもや」とした微細な感覚の塊があります。

それは、まだ形を成していない、名前のつけられていない感情の種のようなものであり、心理学ではこれをフェルトセンスと呼びます。

その輪郭の曖昧な感覚に対して、焦らずにそっと寄り添い、「これは一体何なのだろうか」と問いかけながら、様々な言葉やイメージを当てはめてみる探求のプロセスを続けていきます。

そしてある瞬間、「あ、これだ」と、そのもやもやの正体を完璧に言い表す、ぴったりとくる言葉や比喩(ハンドル)に出会うことがあります。

そのバシッとピースがはまったような瞬間、ずっと緊張してこわばっていた体が、「ふぅ」と深いため息をつくように、奥底から小さく緩んでいくのを明確に感じ取れるはずです。

この、身体全体で感じられる心地よい解放感と、滞っていたエネルギーが再び流れ出す微細な変化のことを、フェルトシフトと呼びます。

このシフトが起きたとき、問題の状況自体はまだ何も変わっていなかったとしても、あなたの内側では決定的な変容がすでに起きています。

それは、膠着していた生命のプロセスが再び息を吹き返し、新たな方向へと確かな前進を始めたことを告げる、何よりの証拠なのです。

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