日々の終わりのないタスクや、他人の「求めていること」を優先しすぎた結果、自分の本... #エッセイ

日々の終わりのないタスクや、他人の「求めていること」を優先しすぎた結果、自分の本音が見えなくなって魂が乾ききっていた時期。

胸の奥がキュッと締め付けられるような生き辛さを抱え、夜のベランダへ出て、ひんやりとした冷たい鉄の手すりにそっと両手を触れてみた。

見上げた夜空の漆黒のなかで、世界の微細な痛みを高解像度の4K画質で捉えてしまう優秀な神経系が、静かに波打っていた情景。

リルケが美しい言葉で遺した通り、私たちは自らの内側に広がる、誰にも侵されない広大な風景をもっと大切に見つめなければならないのだ。

頭の思考は他人の意見や正論で簡単に騙されてしまうけれど、生命の基盤であるあなたの身体感覚(フェルトセンス)はいつでも真真実を告げている。

喉の奥がキュッと詰まる違和感や、胃の底がズシッと重くなる感覚を「気のせいだ」と思考で握り潰すのをやめてみるセルフケア。

安易な常識で要約されることのない、誰にも消費されていない生の体験の原石にそっと意識の光を当てる探求のプロセス。

自らの内なる実感を唯一の正解として生きるとき、引き裂かれていた生命力は再び一つの美しい軸として統合されていく。

凪の海面のような穏やかな模様が、あなたの人生のノートにあたらしく、豊かに綴られ始める時間は今ここにある。

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