しんしんと冷える真夜中、古い木造のアパートの一室で、淹れたての白湯から立ち上る静... #エッセイ

しんしんと冷える真夜中、古い木造のアパートの一室で、淹れたての白湯から立ち上る静かな湯気をぼんやりと見つめている。

思い通りにいかない不条理な現実に足を浸し、胸の奥が激しい不条理の炎でジュクジュクと焼かれるような、深い苦悩の沼に沈んでいく瞬間。

しかし、精神科医ヴィクトール・フランクルが看破した通り、その目の前にある苦悩そのものに、あらかじめ高尚な意味が隠されているわけではないのだ。

その理不尽な暗闇のなかで、あなたがどういう態度をとって立ち佇むか、その過酷な選択のなかにこそ、人間の真の気高さと自由が眠っている。

理想の絵コンテ通りにいかない自分をエラーだと責めるのをやめ、運命に対してただ無気力に頭を垂れるのをやめにする。

「これは私が引き受けるべき固有の運命だ」とハッキリと割り切り、自らの足の裏でしっかりと大地を踏みしめ、独自の行動で応答(レスポンス)していく決意。

主権を理想のあらすじに明け渡さず、自らの内なる実現化傾向を信じて一歩前へと踏み出す自治の姿。

手を離したその静寂の余白のなかで、強張っていた背中の筋肉は芯から心地よくほどけていくはずだ。

このブログの人気の投稿

選択のまばたき

長年使い込まれてエッジの尖った...

佇まいの聖域