雨上がりの夕方の川べり、風が運ぶ青い草の匂いと、ゆっくりと暮れていく空の深い陰影... #エッセイ

雨上がりの夕方の川べり、風が運ぶ青い草の匂いと、ゆっくりと暮れていく空の深い陰影をぼんやりと眺めている凪の時間。

長い時間をかけて絶望の淵を歩き、自責の沼のなかで何度も絶望的な足踏みを繰り返しながら、実感のなかから紡がれてきた、生活者の智慧。

ここは、効率や成果を競い、立ち止まる者を置き去りにする世界に対する、静かなる安息のサンクチュアリ。

他人が勝手に決めた幸福の採点表をすべて門の外へ降ろし、不完全な今の自分のままで、ただ息をしてここに在る(Being)という絶対的な尊厳。

あなたの尊厳と生命のひらきは、この静音に満ちた凪の回廊のなかで、誰の手によっても汚されることなく、ここでどこまでも守られている。

自らの不完全さを丸ごと受け入れる Being のしつらえを施したとき、引き裂かれていた生命力は、一つの美しい一筆書きの航図として再び統合される。

主権をお腹の底にどっしりと取り戻した瞬間、みぞおちの冷たい硬直は温かく溶け去り、強張っていた背中は優しくほどけていくはずだ。

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