「誰もいない深夜の厨房で、ただひんやりと冷えていく陶器の器のなかに、僕たちは誰に... #エッセイ

「誰もいない深夜の厨房で、ただひんやりと冷えていく陶器の器のなかに、僕たちは誰にも見せられなかった涙の重さを溜め込むのさ。」

アルコールのツンとする消毒臭と、乾燥したハッカや薬草の独特な苦い匂いが狭い空間に調合され、梅雨の深夜、静まり返った薬局の調剤室の片隅。

衣服の繊維が擦れ合うササァという小さな摩擦音を皮膚の表面でありありと確かめながら、誰もいない深夜の台所で、ただ静かに冷えていく陶器のボウルの圧倒的な冷たさを指先でなぞる時間。

「リーダーなんだから弱音を吐くな、あなたがしっかり支えなければ周囲が困るぞ」という、有能さの役割を強いる周囲の冷酷な眼差し。

しかし、「私がしっかり支えなければ」と、自らの本当の疲弊を無視して過剰に張り詰めてきた強がりの盾を、今夜、自らの明確な意思できっぱりと地面に降ろす引き算の選択。

あぁ、本当は寂しかったな、しんどかったなと独りごちる、誰の承認も必要としない内なる私との静かなる和解のしつらえ。

社会的期待に応えられなかった焦燥感と、ようやく自分の呼吸を取り戻したという深い安堵感が同時に胸の奥で渦巻いている。

他人に理解してもらうための流暢な翻訳をそっと地面に手放し、ただ不完全な現在の私のままで、静まり返った部屋のなかでゆっくりと夜気の満ち引きを聴いている。

こころの声に耳を澄まして寄り添う
真摯な傾聴セラピー・ほんわか倶楽部

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(来談者中心療法・PCA・フォーカシング・ナラティブセラピー…等々)

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