「風が砂漠に不規則な模様を描くとき、そこには誰の評価も、正しいあらすじなんて最初... #エッセイ

「風が砂漠に不規則な模様を描くとき、そこには誰の評価も、正しいあらすじなんて最初から存在しないんだ。」

乾いた砂の少し埃っぽい匂いが夕風に乗って漂い、西の水平線に陽が落ちたあとの、あの深い薄紫色へと移り変わる空が、静かに夜の闇へと侵食されていく薄明の砂丘の上でのこと。

カメラのレンズを一気に広大な砂漠の全景へとズームアウトさせる壮大なマクロの引き算のなか、風の気まぐれによって、刻一刻と不規則な模様を描き変えていく砂漠の砂紋をただじっと見つめている時間。

「普通はこれくらいの時間で前を向くものだ」「いつまでも立ち止まっているのは時間の無駄だ」という、解像度の著しく低い他人の物差し。

他人が勝手に持ち込んってきた、こちらの文脈を完全に無視した独自のルールブックである「有能さの採点表」を、自分の心の内側にまで貼り付けて傷つく必要なんてどこにもありません。

私は他人のあらすじの都合の良いエキストラなどではなく、私は私の持つ、不揃いで不完全な体験のプロセスをただ生きていくという自治の姿勢。

ニーチェがかつて看破したように、自らの内に混沌を抱えていなければ、独自の美しい踊る星を生み出すことなど絶対に不可能なのだから、自らの未完成さを愛おしむこと。

他人に理解されるための流暢な説明をそっと地面に手放し、ただ不完全な現在のままで佇む Being(存在)の圧倒的な安全基地を自らの手で静かに築く実存の宣言。

足の裏が砂に沈み込んでいく物理的な重みを感じながら、割り切れないもやもやを抱えたまま、ただ今夜を明かす。

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