プラスチック製の折りたたみカゴが擦れ合う鈍い音と、湿ったキャベツの泥臭い匂いが低... #エッセイ

プラスチック製の折りたたみカゴが擦れ合う鈍い音と、湿ったキャベツの泥臭い匂いが低い大気のなかに漂っている、初夏の深夜の無人になった野菜集荷場の片隅。

コンクリートの床板のひんやりとした無機質な硬さを靴の底を通してダイレクトに感じながら、一人で静かに自らの内なる声(フェルトセンス)を聴き届ける静かな空間。

都会の冷たい蛍光灯の下、他人の完璧すぎる成果物や独自のタイムラインと比較しては、自分自身を過酷にジャッジ(品定め)する脳内の不機嫌な思考を今日、ピタッと止め、ただいま流れている生々しい生のプロセスに寄り添うこと。

「私は今のままで本当にいいのだろうか」という、生存を脅かされるような不安のあらすじを頭のロジックで組み立てるのを一度そっと保留にしてあげる引き算の選択。

期待に応えられなければ排除されるという古い生存アラームに背中を激しく叩かれ、過剰適応の檻のなかを息を潜めて走り続けていた、あの過酷なサバイバルの古い記憶の痕跡。

この不完全で不揃いな私のままで、今ここの不格好な現在の体験を一切の品定めを挟まずにそのまま受け止めることこそが、あなたの壊れそうな神経系を根本から癒やすための最大の癒やしなのだと思います。

他人に理解されるための流暢な説明をそっと地面に手放し、人生の操縦桿を他者から自分の手へと完全に取り戻した、静かな実存の夜明け。

主権をお腹の底にどっしりと取り戻した瞬間、みぞおちを縛り付けていた冷たい硬直は温かく溶け去り、強張っていた背中の筋肉は、芯から心地よくほどけていく。

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いつから、私たちは…
自分の足音が聞こえないほど
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