朝露に濡れたトマトの葉や、ハーブの土の匂いが鼻腔をそっと掠めていく、静音に満ちた... #エッセイ

朝露に濡れたトマトの葉や、ハーブの土の匂いが鼻腔をそっと掠めていく、静音に満ちたあなただけの神聖な菜園に佇む午後。

「もっと前向きに生きねば」「感謝してポジティブでいなければ見捨てられる」という、終わりのない内なる義務という名の強迫システムが自らの背中を常に鞭打っている。

その有能さを競わせる過酷な階段の途中で、今日、そっと座り込み、いまの不機嫌で不器用な自分のままで呼吸を調律するセルフケア。

外側の騒がしい流行や他人の時計の針に、自らの内なる繊細な体温や歩幅を無理やり合わせる必要なんて最初からどこにも存在しない。

何も社会的価値を生み出さず、誰の期待にも沿わない不器用なあなたのままで佇む Being の圧倒的な贅沢を自らに無条件に許し直してみる。

「がんばらなくても、私はここに存在していいのだ」と、みぞおちのあたりの冷たい硬直を温めるように深く、長い息を吐き出す。

他人に理解されるための不毛な努力をそっと手放し、人生の所有権を自分の手へと完全に取り戻した自治の姿。

背筋をすっと伸ばして大地をしっかりと踏みしめるとき、お腹の底には確かな主権の熱量が還ってくるのを確かに感じるはずだ。

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